米ミシガン州ポンティアックのノースオークランドヘルスセンターで新型コロナワクチンのブースター接種を受け待機する患者(2021年12月21日)(C)REUTERS/Emily Elconin

[ロイター]新型コロナウイルス(COVID-19)との共存が避けられない見通しとなる中、新たな変異株に対抗する上での製薬会社の役割を疑問視する声が出始めている。変異株への最善のアプローチは何かをめぐって、製薬会社と各国政府の間で見解が食い違う兆しが見えるからだ。

 専門家の中には次世代ワクチンの開発について、各国政府は現行ワクチンと同様に、小規模開発者への資金提供でイノベーションを促すべきだという声がある。「第1世代のワクチン開発でやったように、第2世代のワクチン開発への呼び水となるような促進措置を講じるなら、比較的迅速に開発を進めるための研究インフラは整っている」。シアトルにあるフレッド・ハッチンソン癌研究センターのローレンス・コーリー博士はこう語った。同氏は米政府で新型コロナワクチンの治験を統括している。

 複数の関係者によれば、欧米で最も広く使われている新型コロナワクチンを開発した独ビオンテックと米ファイザーは、ワクチンの開発戦略について、先頃、欧州医薬品庁(EMA)と衝突したという。EMAと各国政府は製薬会社に対し、複数の変異株を対象とするワクチンの開発を促している。一方、ビオンテックとファイザーは、オミクロン株だけに的を絞ったワクチンの試験を今年1月に開始した。これは、新たな主要変異株にその都度対処していくのが最善と考えるアプローチだ。両社は昨年後半のオミクロン株の感染者数急拡大でも、ワクチンの改変の必要性には懐疑的な姿勢をとっていた。

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