[エチオピア・アフデラ発(ロイター)]エチオピア北西部のアファール州で新たな戦端が開かれ、和平交渉の機運が潰れようとしている。3月下旬に停戦が宣言されたものの、複数の地域ですでに破られた。この紛争でこれまでに何百万人もが家を追われ、数十万人が飢餓状態に陥っている。

 今年に入ってアファール州での軍事衝突が激化したのは、隣接するティグレ州とアムハラ州での戦闘が膠着状態に陥り、政府と反政府勢力TPLF(ティグレ人民解放戦線)が和平交渉の席に着くのではないかと期待された矢先のことだった。「アファール州での戦闘が続く限り、エチオピアに平和が訪れることはない」。同州6つの地区のうちのひとつエレプティの部族リーダー、ムサ・イブラヒムは言う。エレプティは、TPLF軍が支配する地区である。

戦闘で破壊された戦車

 エチオピア政府は3月24日、「無期限の停戦の即時発効」を一方的に宣言した。それまで16カ月続いてきた紛争において、2度目の停戦宣言だった。1度目は昨年6月、政府が停戦を宣言。この時、TPLF側は和平交渉の条件は整っておらず、停戦など「まるでジョークだ」として応じなかった。そしてアファール州警察本部長アハメド・ハリフによれば、この2度目の停戦宣言にもかかわらず、6つの地区のうちのTPLFが支配する2つの地区で戦闘は続いており、州境に沿ってTPLF側の「著しい」兵力増強が見られるという。

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