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 毎年4月になると社会人生活をスタートさせた新入社員と思われる人をオフィス街で見かける。新社会人でなくても、新年度になり、新しいことにチャレンジしようと考えている人も多いだろう。

 この時期は資産運用を始める人も多い。私が社会人生活をスタートさせた約20年前とは時代が大きく変わった。スマートフォン、YouTube、Twitter、Instagram、TikTok等なかった時代だ。

 しかし、ファイナンシャルアドバイザーの仕事をしていて思うことがある。それは時代が変われど、投資や資産運用の本質は変わらないということだ。そこでファイナンシャルアドバイザーの仕事での経験も踏まえて、20代でスタートさせたい投資について解説したい。

20代で大切な投資は自己投資

 投資とは資本(資産)を投下してリターンを得ることだが、平たく言うとお金を稼ぐこと、収入を得ることだ。収入は一般的に3つあると言われる。

①働く

②運用

③年金

 今回は①と②について解説したい。

 まず多くの人が考えることは、①の働くことだろう。例えば、時給1200円のアルバイトをすれば1時間で1200円の収入を得られる。これは自分という人的資本を投下して1200円のリターンを得る行為だ。多くの人にとって3つの収入の中で、この働いて得る収入が最大となる。労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 2020」によると、大卒で60歳まで同じ企業に勤めた人の平均生涯賃金は、男性で2.92億円、女性で2.44億円だそうだ(60 歳で退職するまでフルタイムの正社員で勤め続けた場合の生涯賃金であり、退職金や年金は含めない)。

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