統一地方選の大敗を受け「共に民主党」執行部は総退陣。発言が波紋を広げた朴志玹氏(右)も共同非常対策委員長を辞任した=6月2日。左は尹昊重氏  (C)EPA=時事

「進歩」が揺らいでいる。選挙に負け続けているのである。

   なぜ負けたのか。責任は誰にあるのか。この議論の中心には、今や韓国政治の主流となった「86世代(60年代生まれで、80年代に大学に入学した世代)」の政治がある。進歩政党の立て直しを任された20代の若い女性が打ち出した「86世代勇退論」が様々な論争を引き起こしている。

完全な敗北、たった2年で急変した勢力図

 今年3月に行われた大統領選挙の直後、「運動圏(学生運動世代)」が「素人」に負けてしまったと進歩政党支持者の一人が呟いた。

 1980年代、軍事政権に抵抗し、政治の民主化を成し遂げた成果と経験を共有する86世代が率いる進歩政党の候補が、検察出身で政治経験がない新人政治家に0.73ポイント差で敗北した。進歩政党支持者の中には、大統領選挙の結果を受け入れられず「悔しくて眠れない」「元気が出ない。辛い」「理由もなく泣きたくなる」といった心理状態をSNSに書き込む人をよく目にする。PTSD=心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder)ではなく、“PESD=選挙後ストレス障害(Post-Election Stress Disorder)”という社会現象も現れた。進歩政党支持者にとっては3月の大統領選挙の結果は衝撃であった。

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