【Analysis】「アフガン地震」救援を阻む「タリバンの孤立」という問題
2022年6月30日
[カブール発(ロイター)]アフガニスタン東部で6月22日に起きた地震は、昨年夏に再び政権を掌握したタリバンにとって最大の試練となりつつある。この地震で少なくとも1000人が死亡し、パキスタンとの国境付近の辺境の村で多くの家々が倒壊した。
イスラム原理主義勢力タリバンが舵取りに苦慮するこの貧しい国では、厳しい干魃と経済危機、広がる飢餓に加えて、何十年にも及ぶ紛争の爪痕がそこかしこに残る。
過激派組織「IS(イスラム国)」系勢力がタリバンへの複数の攻撃について犯行声明を出しており、「西側が支援する勢力に打ち勝ち、NATO軍兵士を撤退させ、アフガニスタンに平和と安定をもたらす」としたタリバンの公約は実現していない。
そのような状況下で発生した大地震は、世界から孤立し、資金も資源も不足するタリバン政権の限界を露わにしようとしている。
人道支援は続いているものの、アフガニスタンの長期的な発展に必要な海外からの援助は、昨年8月にタリバンがカブールを陥落させて以来、途絶えたままだ。
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