W杯決勝戦が開催される予定のルサイル・スタジアム[9月9日](C)REUTERS

[ドーハ発(ロイター)]今年のサッカーW杯開催国のカタールが、スタジアムの検問所の運営要員として数百人に上る民間人を強制的に徴兵していることが明らかになった。ここには、海外から呼び戻した外交官も含まれるという。

   カタールでは2014年以降、首長のタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニーが導入した兵役義務の一環として、18歳から35歳までの男性は少なくとも4カ月間、軍隊で訓練を受けている。これを怠った場合、1年の禁錮と5万カタールリアル(約200万円)の罰金を科される可能性がある。ただし、国家に不可欠な業務を担っていると見なされた人物は兵役に猶予が与えられるのが通例だ。そのなかで政府がこうした招集に踏み切ったことは、世界最大級のスポーツイベントを主催する湾岸地域の小さなアラブ国家が直面する運営上の課題を浮き彫りにしている。

招集は愛国的義務

 カタールの総人口は280万人だが、そのうちカタール人は38万人に過ぎない。そこへ大会期間中は120万人の観客が押し寄せると予想される。

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