中国人民銀行新総裁に有力視される二人の名前と「10年後」のキーパーソン

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執筆者:フォーサイト編集部2022年11月3日
米国留学経験もある易綱・中国人民銀行総裁は外国高官との交流が深かった[2019年6月8日、福岡で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議の前に談笑するラガルドIMF専務理事(当時)と易綱氏(右)](C)AFP=時事

 中国共産党の新指導体制習近平総書記(国家主席)の側近中心で固められた。李克強首相とその後継者との見方もあった胡春華副首相が指導部から排除され、実権を制限された首相に代わって経済政策を主導したという劉鶴副首相も引退する。今後は来年3月の全人代(全国人民代表大会)で首相就任が確実視される上海市トップの李強氏(1959年生)と、劉鶴氏から国務院金融安定発展委員会主任(金融行政トップ)の座を継ぐと目される何立峰・国家発展改革委員会主任(1955年生)の習派コンビが、中国経済の舵取り役になりそうだ。

 李強氏は中国経済の牽引車である江蘇省トップを務めた以上、ある程度の経済理解はあるとされるが、その手腕は藪の中だ。何立峰氏は現職から想定される「中央国家機関」の代表としてではなく、「金融系統」の代表として党大会へ参加したことに体制の意思とコンセンサスが汲めるものの、計画経済の専門家という位置づけになる。

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