組織の「クリエイティビティ」を測るたったひとつのシンプルな指標

Perry Klebahn, Jeremy Utley『Ideaflow』

執筆者:植田かもめ2022年11月20日
 

 現代の企業にとって、「クリエイティビティ」つまり創造性は競争の結果を左右する重大な要素だ。情報技術が発展し製品やビジネスモデルの模倣が容易な時代において、イノベーションを生む画期的なアイデアが無ければ競合との差別化が難しいためである。

 それでは、そもそも企業にとって創造性とは何だろうか。または、ある企業の創造性の高さをどのように測定すればよいだろうか。

 本書『Ideaflow』(アイデアフロー)はこの問いに対して非常にシンプルな答えを提示する。創造性とは、アイデアの「量」だという。ある課題に対してある時間内に人や組織が生み出したアイデアのボリューム、それが創造性を測る指標である。そしてより多くのアイデアを出すほど、より質の良いアイデアにたどり着ける。「量が質を決める」(Quantity drives quality)のである。

 著者のペリー・クレバーンは、スタンフォード大学の経営者向け教育機関であるHasso Plattner Institute of Design、通称「d.school」の教授である。起業家、プロダクト・デザイナー、経営者として20年以上の経験を有しており、d.schoolのスタートアップ養成コースであるLaunchpadの創設メンバーとして、多数の企業の設立にも関わっている。共著者であるジェレミー・アトレーもd.schoolで教職に就いている。

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