岐路に立つ「仏独」「日韓」

Foresight World Watcher's 3Tips

執筆者:フォーサイト編集部2022年11月25日
関係改善の機運が高まっているが……(C)Prabowo96/shutterstock.com

 

 今週もお疲れ様でした。世界規模で安全保障、経済・金融面での構造変化が起きている中で、米国にとって重要になるのが主要同盟国の結束ですが、欧州ではフランスとドイツが、アジアでは日本と韓国が「近くて遠い」関係にあります。岐路に立つ「仏独」「日韓」の二国間関係についてFP誌とFA誌が論じています。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事3本、皆様もよろしければご一緒に。

 

Not Just Another Recession【Mohamed A. El-Erian/Foreign Affairs/11月22日付】

「インフレーションは過去数十年における最高水準に達し、地政学的緊張、サプライチェーンの混乱、金利上昇などが重なって、世界経済は後退に転じる恐れがある。しかし、経済学者や金融アナリストは、こうした動きを通常の景気循環の結果として受け止めている」
「しかし、世界がいま経験しつつあるのは、景気循環のもう一回りというより、現在の景気循環を超える構造的かつ長期的な変化かもしれない。特に3つの新たなトレンドがそうした変化を示唆し、今後数年間の経済状況の形成に重要な役割を果たすと考えられる。成長の足を数年間引っ張る要因となる3つのトレンドとは、需要不足から供給不足へのシフト、中央銀行による無限の流動性供給の終焉、金融市場の脆弱性の高まりだ」

 米「フォーリン・アフェアーズ(FA)」誌が11月22日付で掲載した「ただのリセッションの再来ではない」が、同誌サイトの「最も読まれている記事」ランキングで1位につけるなど注目を集めている。筆者は英ケンブリッジ大クイーンズ・カレッジ学長で、保険・金融の世界的大手・独アリアンツのCEO兼CIO(最高投資責任者)などを務めたモハメド・エルエリアン。冒頭に引用したのは、この記事の冒頭部分だ。

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