海外メディアが伝えた「江沢民の死」

Foresight World Watcher's 7Tips

執筆者:フォーサイト編集部2022年12月2日
カザフスタンで開かれた中国、ロシア、中央アジア諸国の5カ国首脳級会議のレセプションで、カザフの民謡を中国語で歌いながら、ピアノの腕前を披露する江沢民中国国家主席=撮影1998年7月3日(C)AFP=時事

 今週もお疲れ様でした。中国でゼロコロナ政策に対する抗議行動が拡大している最中に伝えられた江沢民・元国家主席の訃報は、天安門事件後の経済発展を推し進めた江と、個人独裁の色を強める閉鎖的な習近平国家主席とのコントラストを際立たせました。米英仏独の海外メディアが報じた「江沢民の死」を紹介します。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事7本、皆様もよろしければご一緒に。

Jiang Zemin, l'homme qui a assis le pouvoir du Parti en Chine【Arnaud De La Grange/Le Figaro/11月30日付】

[China Brief]What Jiang Zemin's Death Means for the CCP【Foreign Policy/James Palmer/11月30日付】

Chinas früherer Staatschef Jiang Zemin gestorben【Friederike Börge、Petra Kolonko/Frankfurter Allgemeine Zeitung/11月30日付】

Jiang Zemin, Influential President of China, 1926-2022【Financial Times/Mure Dickie、Thomas Hale、Edward White他、FT紙記者/11月30日付】

「彼とともに中国の革命家の『第3世代』は消え去り、中国史の1ページがめくられた。11月30日、96歳で亡くなった江沢民の死は、その後継者だった胡錦濤が公の場で見世物のように連れ出された事件から数週間後のことであり、また、習近平の絶対的統治が街頭であげつらわれ、新たな皇帝が前任者たちの痕跡を消そうと努めている最中のできごととなった」

 仏「フィガロ」紙の副編集長、アルノー・ドゥ・ラ・グランジュが11月30日付の「江沢民 中国共産党で権力を確立した男」に記したように、元国家主席・江の死去は政治的に微妙なタイミングで発表された。その微妙さは、米「フォーリン・ポリシー(FP)」紙の週刊ニューズレター「チャイナ・ブリーフ」の最新同日付号で同誌コラムニストのジェームズ・パーマーが次のように指摘しているほどだ。

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