二〇一〇年は日米安保条約改定から五十年目という節目の年になるが、今後の日米同盟の鍵を握る人物として、二月に就任した女性国防次官ミシェル・フロノイ氏に注目が集まっている。一〇年に決まる米国の「四年ごとの国防戦略見直し」(QDR)の責任者で、日本が年末に予定する「防衛計画の大綱」の策定にも影響が必至なためだ。 ゲーツ国防長官は既にミサイル防衛の一部白紙化や日本の次期主力戦闘機候補だったF22の追加配備中止といった「変革」を打ち出し、日本政府に難しい舵取りを迫っている。そのゲーツ長官の最大の理解者とされているのが、フロノイ氏だ。 このため外務、防衛両省はフロノイ氏をターゲットに新たな同盟関係構築に向けた擦り合わせ作業に着手しているが「日本の優先順位が低いため、米側の反応は鈍い」(防衛省幹部)。 フロノイ氏が昨年十月に来日した際、日米関係について意見交換した外務省幹部も「物腰はソフトで戦略家らしくないが、対応を誤ると日米交渉にも支障が出そう」と不安を隠さない。

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