競合ブランドに対して成長力で見劣りする(C)Reuters

[パリ発(ロイター)]ハリー・スタイルズやレディー・ガガのお気に入りだった華やかなデザイナー、アレッサンドロ・ミケーレの退任で、成長鈍化に直面しているグッチを傘下に持つケリング社への圧力が高まっている。7年ぶりにクリエイティブ・ディレクターが交代するというニュースは、ホリデーショッピングシーズンを前に発表された。

 グッチは昨年の親会社の収益の3分の2を支えたが、ケリング社はさらなる活性化を図ろうとしている。関係者によると、11月23日に退任を発表したミケーレとグッチの経営陣の間では緊張が高まっていたという。ケリング社の会長兼CEOのフランソワ・アンリ・ピノーは、ミケーレの在任期間をグッチの歴史における「傑出した瞬間」として賞賛したが、後継者の指名は行っていない。

 後任が決まらないままミケーレが退任したことは、「グッチにとって早急に埋めるべき空白を生んだ」とアナリストたちは指摘する。JPモルガンのキアラ・バティスティンは、「今後数カ月間のグッチにいくつかの疑問をもたらし、ブランドの行方を不透明にした」と指摘する。またジェフリーズのアナリストらは、ミケーレの退任によってケリング社がグッチというレーベルを「より深く見直す」可能性があると指摘。そのうえで、「次のステップは複雑なものになる」とみなしている。

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