ラティーノの支持を受けて大勝したフロリダ州のデサンティス知事(C)AFP=時事

 

 2022年米国中間選挙は、民主党勝利に終わった12月6日のジョージア選出上院議員選挙の決戦投票でようやく結果が出揃った。中間選挙では多くの場合に大統領の政党が議席を減少させる傾向があるが、今年の中間選挙でも、ジョー・バイデン政権への支持率の低迷と急激なインフレに対する有権者の不満によって民主党が大敗を喫するという予測も少なくなかった。

 しかし選挙を終えてみると、共和党は下院で多数党の地位を奪還したものの、獲得議席数は過半数に必要な218議席をわずかに上回る222議席にとどまった。また上院では、共和党が有していたペンシルベニアの議席を民主党が奪ったことで、民主党が選挙前をひとつ上回る51議席を確保した。12月9日、バイデン政権の社会支出拡大路線にしばしば難色を示してきた中道派のキルステン・シネマ上院議員が民主党を離党することを表明し、民主党は再び50議席となったが、民主党が多数党の地位を確保したという状況に変わりはない。

 本稿ではそのような中間選挙結果を理解し、2024年選挙に向けた展望を考える材料として、ラティーノ有権者の動向に焦点を当てたい。

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