バイデン大統領は機密文書が発見されたことに「驚いた」としている(C)REUTERS

 

[ワシントン発(ロイター)]メリック・ガーランド米司法長官は、共和党のドナルド・トランプ前大統領と民主党のジョー・バイデン大統領による機密文書の持ち出し問題に関し、それぞれ異なる特別検察官を任命し、捜査に当たらせている。 

  コソボ紛争での戦争犯罪を裁くオランダ・ハーグのコソボ法廷で主任検察官を務める元連邦検事のジャック・スミス氏は、トランプ氏が2021年に大統領職を離れてからも、当人または関係者がフロリダの別荘“マールアラーゴ”に機密文書を不正に保持し、その後に連邦捜査の妨害を企図したかどうかを捜査している。 

 一方、バイデン大統領の副大統領時代に持ち出され保持されていた機密文書が、大統領の私邸およびワシントンDCのシンクタンク「ペン・バイデン・センター」にあった個人事務所から発見された件を担当するのは、トランプ政権時代にメリーランド州で連邦検事を務めたロバート・ハー氏だ。 

2件の類似点とは?   

 トランプ氏もバイデン氏も本来はいかなる機密文書も所持しているべきではない。政権移行期には、旧政権が遺した政府文書をすべて国立公文書記録管理局に引き渡すことになっている。そのため、意図的に機密文書を持ち出したり保持したりすることは違法である。機密文書の適切な保管や保護を怠り、万一それが悪意のある者の手に渡れば、国家安全保障そのものを揺るがしかねない。 

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。