ボールドウィン氏自身は、銃を手渡される際に「実弾は装填されていない」と言われたうえに、引き金も引かなかったとしている(C)REUTERS/Lucy Nicholson

[ニューヨーク発(ロイター)] 俳優のアレック・ボールドウィン氏(64)が2021年10月、西部劇映画『Rust(原題)』の撮影中に銃を誤射し、撮影監督のハリーナ・ハッチンズ氏が死亡した事件について、複数の法律専門家は、検事が陪審員にボールドウィン氏の刑事責任を確信させるのは容易ではないとの見方を示している。

   1月19日、ニューメキシコ州第1裁判管轄区のメアリー・カーマック=オルトウィース検事が1年超の捜査の結果、ボールドウィン氏と映画の武器小道具を担当したハンナ・グティエレス=リード氏を過失致死容疑で刑事訴追すると語った。

   ボールドウィン氏自身は、銃を手渡される際に「実弾は装填されていない」と言われたうえに、引き金も引かなかったとしている。同氏の弁護士は19日、訴追の決定を 「とんでもない冤罪」と語った。

 リハーサル中に起きたこの悲劇に関して、安全対策が講じられていたにもかかわらず起きてしまった偶発的な事故であることが証明されれば、ボールドウィン氏を有罪と確信する陪審員は出てこないのではないかと見る向きは多い。元検事で、現在は人身傷害の弁護士を務めるニーマ・ラーマニ氏は、「訴追の判断は非常に強引で、弁護側の主張には説得力がある」と述べる。

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