1月31日、国防治安評議会に出席したミン・アウン・フライン国軍総司令官。同会で非常事態宣言の半年延長が決まり、クーデターから丸2年となる翌2月1日に発表された (C)AFP=時事

以下の報告はミャンマー在住者の証言をもとに本誌編集部が構成したものです。現下の状況に鑑み、証言者を特定できる情報は公開を控えます。

 ミャンマー最大の都市ヤンゴンには、「ゼイ」と呼ばれるローカルマーケット(市場)が100以上あると言われている。市内にはスーパーマーケットもあるが、こちらは外国人や富裕層が多く利用し、市民の多くは、新鮮な野菜や魚肉が集まるあちこちのゼイで日常の買い物をしている。路上に露店が並ぶなどして、とても活気のある場所だ。

通貨安で進む生活費の高騰

 ところが2022年4月以降、ゼイに並ぶ野菜の鮮度が落ちてきた。ヤンゴンから電車で1時間ほどのところに青物市場があり、ゼイの商人はここで野菜を仕入れて店頭に並べるのだが、この青物市場に新鮮な商品が集まってきていないようだ。それはおそらく物流の問題がある。さらに価格も上昇している。

 というのも、ガソリン代の高騰が著しいのだ。コロナ禍直前(2020年1月)に比べると3倍になっており、しかも販売量が規制されているため、ガソリンスタンドに2時間並んでも手に入らないという状態が続いている。こうした民間物流の停滞が、新鮮な野菜の減少という事態を招いている。もっとも軍事政権が運営しているスーパーには、新鮮な野菜が並んでいるという状態だ。これは以前とは真逆である。

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