米中「気球問題」の深刻度

Foresight World Watcher's 6Tips

執筆者:フォーサイト編集部2023年2月10日
撃ち落とされた気球を回収する米軍(C)AFP=時事
 

今週もお疲れ様でした。ブリンケン国務長官の訪中延期を引き起こした中国の気球問題ですが、米国では気球の軍事利用への警戒感が高まってはいるものの、この問題が米中関係に深刻な長期的影響を及ぼすとは見られていないようです。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事6本、皆様もよろしければご一緒に。

How a Chinese Spy Balloon Blew Up a Key U.S. Diplomatic Trip【James Palmer/Foreign Policy/2月3日付】

Chinese Spy Balloon Furore Puts Focus On Xi Jinping's Leadership【Tom Mitchell、Eleanor Olcott/Financial Times/2月7日付】

「高高度の気球は、天空のはるか上方から微細なディテールを拾い上げることができる衛星画像と比較すると、印象が薄いように思えるかもしれない。しかし、[中略]気球は安価で、何カ月も飛ぶことができ、人工衛星のように軌道が予測できるわけではなく、その場にとどまることができる。そして意外と落とすのが難しい」
「こうしたメリットのすべてはある明確な要因によって否定されていた。すべては風次第だったからだ。しかし、機械学習という新たな技術によって気球は気流を利用して誘導できるようになり、より有用なものとなった」

 中国の“観測”気球問題によってアントニー・ブリンケン米国務長官の訪中および習近平国家主席との会談が延期となった2月3日、米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌は副編集長、ジェイムズ・パーマーによる「いかに中国のスパイ気球は米国の重要な外交日程を吹き飛ばしたか」を掲載した。

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