ロシア・ウクライナ戦争が転機となるか[2022年11月28日、オットマージンゲン近郊の高速道路で行われた軍事演習に参加するスイス軍の装甲車](C)REUTERS/Arnd Wiegmann

[チューリヒ発(ロイター)]永世中立国という何世紀も続くスイスの伝統が破られようとしている。スイスは交戦地域への武器輸出を禁じてきたが、親ウクライナに傾く世論や政治情勢がこの縛りを無くすよう政府にプレッシャーをかけている。

 国内の大規模軍需産業の幹部たちは、スイス製の武器の購入者に再輸出を禁じる法律が、貿易にダメージをもたらしていると口を揃える。ウクライナへの武器の再輸出を認めるよう求める声は、ロシアの攻撃が激化するにつれて欧州の近隣諸国からも高まり、スイス連邦議会の2つの安全保障関連委員会がそうした声に応えて規制を緩和するよう勧告している。

 ただし、この問題については、議員の間でも意見が割れている。

「我々は中立であることを望んでいるが、西側世界の一員でもある」と述べるのは、中道右派、自由民主党(FDP)のティエリー・ブルカルト党首だ。同党は、スイスと民主主義の価値観を共有する国への武器再輸出を認めるよう、政府に動議を提出した。 

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