クジラの進化の過程とは——(C)REUTERS

 

[ワシントン発(ロイター)]シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ホッキョククジラ、コククジラ、ザトウクジラ、セミクジラ、マッコウクジラは、現存する最も大きい動物だ。中でもシロナガスクジラは地球史上最大の動物と考えられており、体長は最大級の恐竜さえも超える。

 巨大な“海獣”たちは、どのようにしてこれほど体が大きくなったのだろうか。クジラの巨大化に関わる遺伝要素を調査した新たな研究では、大きな役割を果たしてきたと考えられる遺伝子を4つ特定した。研究チームによると、これらの遺伝子は巨大化を促すことに加え、巨大化に伴うがんリスクの上昇や出産数の低さといった不利な影響を軽減していた。

 クジラ、イルカ、ネズミイルカを含む「クジラ目」の動物は、約5000万年前にオオカミのような姿をした陸の祖先から進化した。この祖先は「偶蹄類」と呼ばれる哺乳類のグループに属し、現代のウシやブタやヒツジなども同じグループに含まれる。

 論文の共著者で、ブラジル・カンピーナス州立大学の遺伝子学者であるマリアナ・ネリー氏は、「体のサイズは、数多くの遺伝子や遺伝子経路、そして身体的・生態的プロセスが複雑に絡み合って決まります。我々の研究結果は、クジラ目の巨大化を初めて分子的観点から検討したものの1つです」とコメントした。研究結果は、1月12日(木)に学術雑誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載された。 

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