猛威を振るうランサムウェア攻撃にいかに対処すればよいのか(C) Andrey Popov/stock.adobe.com

 

 日本のサイバーセキュリティ体制は今、転換期を迎えている。

 昨年4月にはサイバー犯罪の対策強化に向けて警察庁にサイバー警察局とサイバー特別捜査隊が発足し、昨年12月に閣議決定された国家安全保障戦略では初めて「能動的サイバー防衛」が盛り込まれ、重大なサイバー攻撃を未然に排除し被害拡大を防止するために、「攻撃者のサーバー等への侵入・無害化ができるよう、政府に対し必要な権限が付与されるようにする」と明記された。

 現在、能動的サイバー防衛の法整備に向けた議論が行われており、今後はサイバーセキュリティの新しい司令塔組織も立ち上がる予定だが、そこにはどのような課題があるのか。警察庁出身でインターポールでのサイバー犯罪捜査の経験もある中谷昇・Z ホールディングス常務執行役員サイバーセキュリティに詳しい八雲法律事務所の山岡裕明弁護士国際ジャーナリストの山田敏弘氏が日本の「サイバー防衛」「サイバー捜査」について議論する。

ランサムウェアはゲームチェンジャー

山田 最初にサイバー攻撃の中でも最も脅威が増しているランサムウェア攻撃について話していきたいと思います。

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