2020年1月13日、「世界未来エネルギーサミット」の開会式でスピーチするジャーベル氏(C)Reuters

[ドバイ発(ロイター)]第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)の議長に指名されたアラブ首長国連邦(UAE)のスルターン・アル=ジャーベル気候変動担当特使は2月15日、地球温暖化に伴う平均気温の上昇を1.5度未満に抑えるという目標を維持することが自身の最大の優先事項となると述べた。この目標はパリ協定で定められたものだが、世界は目標達成に後れを取りつつある。

 気候変動担当特使と産業・先端技術担当大臣を務めるジャーベル氏は、アブダビ国営石油会社(ADNOC)のCEOでもあるため、議長指名には批判の声が上がっている。しかし、同氏はそうした批判を一蹴し、気候変動対策には結束して取り組むことが大切だと語った。地球温暖化という危機への世界の対応を巨大企業が乗っ取るに等しいという環境活動家たちの懸念に対して、次のように発言した。

「1.5度目標から逸脱するつもりはまったくない。この目標の維持が最優先課題だ」

 ジャーベル氏は2006年にアブダビで再生可能エネルギー企業「マスダール」を設立し、CEOを務めた。マスダールは現在ではグリーンエネルギーの世界最大の投資家に数えられる。UAEの指導者層はこうした経験を買って彼をADNOCのトップに据え、同社の「変革、脱炭素化、将来への確証」を委ねたのだという。

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