「ブレグジット後」の懸案が決着(C)REUTERS

 

[ロンドン発(ロイター)]もし世界がIMF(国際通貨基金)の言う「地経学的分断」に直面しているならば、イギリスにとって北アイルランドの通商問題の進展は、世間の受け止め以上に大きな救いになるかもしれない。

 リシ・スナク英首相とウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員長は2月27日、懸案だった北アイルランドの通商ルールに関して合意に至った。イギリスはEU離脱に際して、北アイルランドとアイルランドの間に「目に見える国境」ができないよう、北アイルランドにEUの通商ルールを適用する「北アイルランド議定書」を結んだが、グレートブリテン島と北アイルランド間での商取引が煩雑になるなどの問題が生じていた。そこで今回、EUとの間で「ウィンザー・フレームワーク」という新たな枠組みを結び、北アイルランドへ持ち込まれる物品に関して、北アイルランドに留まるものとEU向けのものを分けて手続きを行い、北アイルランドに留まるものに関する手続きを簡略化することになった。

 まだ英議会の主要政党と北アイルランドのすべてのグループによる承認が必要だが、政界や金融関係者からは今回の合意に驚きが広がった。

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