中国版スターリンクの誕生なるか(C)REUTERS

 

[北京発(ロイター)]中国の軍産複合体が今年、初の地球超低軌道(VLEO=Very Low Earth Orbit)衛星コンステレーションの構築に取りかかる。米国を拠点とするスターリンクに追いつこうとする中国の対抗宣言と言えそうだ。

 イーロン・マスク氏有するスペースXが運営するスターリンクは、地球低軌道上に3500基以上の衛星を配置したネットワークを通じて衛星インターネットサービスを急成長させている。現時点で米国内に数万人のユーザーを獲得しており、さらに数万基の衛星を追加投入することで、この種のシステムとしては世界最大規模に拡大させることを目指す。

 低軌道衛星(LEO=Low Earth Orbit)には、より高い軌道にある衛星に比べてコストが低く、情報取得能力と伝送効率に優れているというメリットがある。

 中国共産党の官営機関紙『環球時報』が3月2日に報じたところでは、国有の宇宙船・ミサイルメーカーである中国航天科工集団公司(CASIC)は、コンステレーションを構成する最初のVLEO衛星を9月に打ち上げる。この計画は、高度2000キロ以下の低軌道よりもさらに高度が低い、地上から150〜300キロという超低軌道の衛星で構成される予定だ。欧州宇宙機関によると、民間航空機の大半はおおむね高度14キロ以下を飛行するという。

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