「火星砲18」の発射を指導した金正恩党総書記。愛娘の金ジュエさんも同行した(『わが民族同士』HPより)
 

 4月15日の金日成(キム・イルソン)誕生日「太陽節」は、2月16日の金正日(キム・ジョンイル)誕生日「光明星節」と並んで「民族最大の名節」と位置付けられており、国中をあげて祝賀ムードが演出される。

 金正日時代、この日の『労働新聞』1面は、満面の笑みを浮かべる金日成の肖像画「太陽像」を掲載していたが、金正恩(キム・ジョンウン)時代に入ると全身写真を関連社説とともに載せるようになった。しかし、2017年以降はそれらがなくなり、せいぜい金日成の生家「万景台(マンギョンデ)」の写真だけである。先代の威光をそのまま活用しようとする戦略よりも、「革命伝統」を受け継ぐ象徴的な存在として金日成の様相は変化しつつある。

 今年の同日付は、「民族最大の慶事の日、人類共同の革命的名節:太陽節慶祝」との大見出しとともに万景台のイラストが掲載され、その下に「偉大な首領金日成同志の子孫らしく主体朝鮮の尊厳を絶えず輝かせていこう」と題する社説が載った。いまは李氏朝鮮もとい、「金日成朝鮮」「社会主義朝鮮」なのである。

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