■黒海貿易開発銀行(BSTDB)年次総会(ギリシャ・テッサロニキ) 7月6日

 黒海貿易開発銀行(BSTDB)は、1998年に設立された国際金融機関。トルコやロシア、ウクライナなど11カ国が資金を拠出しており(ロシア・ギリシャ・トルコが各16.5%で最大の負担)、本部はギリシャのテッサロニキに置かれている。

 BSTDBは設立以来、域内での経済開発や地域協力を支援してきたが、ロシア・ウクライナ戦争という加盟国同士の対立が暗い影を落としている。

 セルハト・コクサルBSTDB総裁(トルコ出身)は今年5月、黒海経済協力機構議員会議(PABSEC)で演説し、「BSTDBでは、ウクライナの厳しい経済状況にかかわらず、ウクライナ経済に引き続き信頼を寄せており、国内投資家への長期融資に尽力している」と述べ、ウクライナ国内でガソリンスタンドチェーンを展開するガルナフトガス社に対して2500万ユーロ(約39億4000万円)の融資契約を結んだことを明らかにした。

 また昨年12月には、リヴィウの高級ホテル建設に800万ユーロ(約12億6000万円)の融資を行うなど、ウクライナにおけるエネルギー供給、インフラの復旧、民間セクターの支援といった分野でのコミットメントと支援を明確に示している。

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