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[ハノイ発/ロイター]半導体戦略において同盟国や友好国でサプライチェーンを完結させる「フレンド・ショアリング」は、米国がベトナムの共産主義指導者を説得し、正式な関係強化を働きかける大きな動機だ。当初、中国の反発を恐れるベトナム政府はこの動きに消極的だったものの、両国間の本格的な関係強化で、ベトナムの半導体産業には数十億ドルの新たな民間投資、さらには政府資金も流入する可能性がある。

※編集部注:9月10日、11日のバイデン大統領のベトナム訪問中、エヌビディアとマイクロソフトによるベトナム国内でのAIプロジェクトなどの取引契約や、「米国の産業、消費者、労働者のために弾力性のある半導体サプライチェーンを支援する」新たな米越チップ・パートナーシップが合意された。

 しかし、業界関係者、アナリスト、投資家たちによれば、熟練した専門技術者が限られていることが、ベトナムの半導体産業の急速な発展にとって重大な障害になるという。

 米・ASEANビジネス評議会ベトナム事務所のヴー・トゥー・タン代表は、「確保できるハードウェア技術者の数は、数十億ドル規模の投資を支えるために必要な数をはるかに下回り、今後10年間に必要なレベルの1割に過ぎない」と懸念する。タン代表によれば、ベトナムの半導体セクターで5年後に必要になる熟練技術者は2万人だ。そして10年後には5万人が見込まれる。だが、現時点で育成できているのは5000~6000人に過ぎないという。

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