64歳のオーストラリアの女性の脳で見つかった、生きた状態の線虫Ophidascaris robertsi。人間における新種の寄生虫感染の初症例がオーストラリア国立大学(ANU)とキャンベラ病院の研究者たちによって発見された[2023年8月28日](C)AAP / REUTERS

[シドニー発/ロイター]オーストラリアのキャンベラで、女性の脳から体長8cmの寄生虫が発見された。このような事例が報告されるのは世界初で、異なる種間で感染性のある生物が乗り移るリスクを浮き彫りにした。症例は8月28日に学術誌「Emerging Infectious Diseases」に掲載された。

 研究者は、女性が野草を摘んでいるときにヘビの糞に汚染された草に触れ、感染した可能性があるとしている。

 論文を執筆した医師Sanjaya Senanayake氏はロイターの取材に対し「脳を手術して生検を取る際、生き物に出くわすとは思いません。我々にとって忘れられない経験となりました」と話した。

 人間の寄生虫は様々なものが発見されているが、Senanayake氏によると、これほどのサイズの線虫が人間から発見されるのは初めて。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。