ベトナムの武器のおよそ8割はロシアから調達される状況が続いてきた[ベトナムのトゥオン大統領との昼食会でスピーチするバイデン大統領=2023年9月11日、ベトナム・ハノイ](C)REUTERS/Evelyn Hockstein

[ワシントン発/ロイター]米バイデン政権とベトナムが大規模な武器売却に向けて協議を進めていると、消息筋二人がロイターに明かした。実現すれば、冷戦時代に敵対国であった国に向けた武器売却としては過去最大規模となるという。

 協議はまだ初期段階にあり、現時点では不透明な要素が多い。ただし、この1カ月の間にハノイやニューヨーク、ワシントンで開かれた両国高官の交渉でも、この武器売却が重要な議題となった。

 匿名を条件に取材に応じたもう一人の情報筋によれば、米国はベトナムに対し高額装備品に対する特別な融資条件の設定を検討している。これが実現すれば、資金繰りに苦しむベトナムが安価なロシア製武器への依存から脱却する助けとなり得る。

 対ベトナム武器禁輸は2016年に解除されたが、米国のベトナムへの武器輸出は沿岸警備艇と訓練用航空機程度に限られ、ベトナムの武器のおよそ8割はロシアから調達される状況が続いてきた。ウクライナでの戦争の影響で、ロシア製武器の消耗品やパーツの調達は難しくなっているが、ベトナムは新たな武器供給をめぐって、米国による制裁対象にもなりかねない協議をロシアとも積極的に進めてきた。

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