AIはどこまでマンガを理解できるか:山西良典×小沢高広「人工知能とエンタメの最前線」
2023年12月9日
※両氏の対談をもとに編集・再構成を加えてあります。
小沢高広(以下、小沢) 2人組のマンガ家「うめ」で、主にシナリオと演出を担当している小沢と申します。なんやかんやでもう20年ほどマンガ家として活動しています。ゲーム業界やIT業界を舞台にした作品が多いです。
最新作の『東京トイボクシーズ』(新潮社)は、いわゆるeスポーツをテーマにした作品で、同種のマンガの中では早いほうだったかなと思います。ちょっと落ち目の進学校を、「eスポーツ科」を作って挽回しようという大人の思惑と、eスポーツで強くなりたい子どもたちのドラマを描いた作品です。
ちなみに、ちょうど10年くらい前に海外の電子書籍サービスが日本に入ってきた際、最初にKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング。Amazon.comが運営するセルフ出版サービス)でマンガを出したのは僕たちです。生成AIを実際のマンガ制作に活用する方法についてもいろいろ試行錯誤しています。
山西良典(以下、山西) 僕は人工知能をどうやってエンタメに適用するかという研究をしています。ゲームやマンガ、音楽のほか、飲食や旅なども含めた「エンタメ」です。
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