日本は常にサイバー攻撃にさらされている[165金融機関が参加した金融庁のサイバーセキュリティー演習=2023年10月19日、東京都千代田区の同庁](C)時事

 2023年11月末、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がまたもやサイバー攻撃を受けたと報道された。いや、むしろ、ずっと受け続けており、今回はそれが成功したことが発覚したというべきだろう。2015年に日本年金機構がサイバー攻撃を受け、年金情報等が取られたときには、同時に日本国内の政府省庁、企業、大学等1000機関が同時にサイバー攻撃を受けていたことが後になって判明した。日本は常にサイバー攻撃にさらされ、攻撃に成功したもののうち、さらに一部だけが報道されている。そう考えるべきだろう。

 サイバーセキュリティに関して言えば、もはや有事も平時もない。サイバー防衛は盆暮れもなく、24時間365日行われなくてはならない。むしろ、気が緩む日本の盆暮れこそが狙い目というのがサイバー攻撃者の常識だろう。元日は休んでも1月2日から通常の仕事に戻る国が多い中、日本は年末から長期の休みに入ってしまう。その間に秘密裏にサイバー攻撃が行われ、十分に時間をかけてデータが抜かれ、それに気づくのにも遅れてしまう。毎年11月末の感謝祭からクリスマスまで、断続的ながら休みモードに入ってしまう北米も似たようなものだろう。家族サービスに追われる季節、サイバー防衛への注意は下がってしまう。

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