12月12日付の労働新聞に掲載された、韓国内での尹大統領弾劾を求めるデモの様子(『労働新聞』HPより)
 

 12月14日付1面下段には「偉大な首領金日成(キム・イルソン)同志と敬愛する金正恩(キム・ジョンウン)同志の現地指導標識碑が開城(ケソン)子男(ジャナム)山旅館に建立」と題するニュースが掲載された。子男山旅館は、外国人も宿泊可能な宿所として開城市内では「民族旅館」に次ぐ存在となっている。1972年9月に金日成が訪問して自ら命名し、2018年4月には金正恩が訪れて「温情深い措置をとってくださった」という。「現地指導標識碑」は、最高指導者が現地指導した事実とその意義を短文で刻んだ石碑であり、北朝鮮各地で整備されている。

 金正恩が2018年4月に子男山旅館を現地指導したこと自体、今回初めて判明したが、同月27日には板門店(パンムンジョム)で文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領(当時)との首脳会談があったため、その前後に立ち寄ったと考えるのが自然であろう。しかし、5年以上前に訪れた地になぜいま碑が建立されたのかは分からない。『労働新聞』が現地指導標識碑の建立について報じることも急増しており、2017年から2019年には1件ずつ、2020年と2021年に2件ずつ、2022年にはゼロであったが今年は既に8回目である。

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