共同声明の署名式で握手する習近平国家主席とプーチン大統領(2023年3月21日=ロシア・モスクワ)(C)EPA=時事

 

 2023年3月、習近平国家主席はロシアのモスクワを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領との首脳会談を行い、「新時代の全面戦略協作パートナーシップの深化」を宣言した。この宣言は、中ロの協力関係の継続と深化を示すものだった。中国とロシアは2019年に両国関係を「新時代の全面戦略協作パートナーシップ」に格上げし、さらに2022年2月4日の北京における首脳会談での共同声明は、「制限なき」協力関係をうたい上げた。直後に始まったロシアによるウクライナ侵攻は中国にとっても予想外の展開であり、これによって中ロは離れるのではないかという予測もなされたが、その後もこうした協力関係は継続してきた。

 中国はロシア・ウクライナ戦争においては中立という立場を守ることを重視してきたものの、実際に中国が取って来た立場はロシアを直接・間接的に支持するもので、中立とは呼び難いものだった。それだけでなく、エネルギーや経済・金融において中国とロシアの関係は継続しており、ロシアに対する米欧からの制裁の打撃を、中国との関係深化が吸収する形となっている。

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