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[ストックホルム、ブリュッセル、ロンドン発/ロイター]EUは12月8日夜、AIの急速な発展に対する対策(ガードレール)を確立し、AI(人工知能)技術の規制における世界標準を設定することを目的としたAI規則案(AI法)の暫定的な合意に達した。

何が合意されたのか?

 実際の合意内容についてはほとんど知られていない。これまで公開されているのは、大まかな合意点を記したプレスリリースだけだ。政府関係者はより詳細な内容を記した電子メールを受け取っており、関係者は数週間以内により詳細な資料を公表しようとしている。

 12月19日以降の11の技術会議で、政府関係者と議員の側近たちは法律の範囲や法がどのように機能するかなどの詳細を詰めている。

 これらの会議での議論は、AI法のリサイタル(法的文書の詳説、備考=ある法律の本質的な目的を明確にするために書かれるもの)作成の出発点になる。ちなみに2018年に施行されたEUのデータプライバシー法には、99の条文と173のリサイタルが含まれている。

 一部の関係者は、2024年2月までに 「4段組文書(four-column document)」と呼ばれる暫定文書ができるとの見通しを示した。この4段組文書は、欧州理事会、欧州委員会、欧州議会という法律の制定に関わる機関からの提案を比較するために使用される。暫定的な取り決めの中で合意された妥協点は、4段目の欄に記載される。

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