ロシア・モスクワ郊外のシェレメーチエヴォ国際空港に向かって降下するアエロフロート機[2023年8月23日](C)REUTERS/Maxim Shemetov

[ロイター]外国製の航空機に頼るロシアは、国産部品を使って自前の航空産業を育てるという巨大な課題に直面している。並行して、リースで運用している航空機の差し押さえを避けるため、欧米の貸主からの購入も進めている。

 欧州エアバスと米ボーイングは侵攻翌月の2022年3月、ロシアに対するサービスと部品の供給を停止し、アエロフロートを始めとするロシアの航空会社に対する定期メンテナンスサポートを止めた。

 以来、ロシアは民間航空産業を支えるべく、航空機製造や航空会社への資金援助など、1兆900万ルーブル(120億700万ドル、1ドル=90.2900ルーブルで換算)を投じてきた。ロシア財務省と国家予算を監督する会計検査院のデータに基づいてロイターが計算して判明した。

 この額は、新型コロナウイルスの蔓延によって空の旅が激減した2020年から21年にかけてロシア政府が業界に支出した5470億ルーブルの2倍近くになる。ロシア政府が基幹産業を管理しようと苦闘していることがよくわかる。

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