パキスタンの外貨準備はほとんど底をついている[自由で公正な選挙結果を求めて抗議デモを行うでPTI支持者たち=2024年2月9日、パキスタン・ペシャワール](C)REUTERS/Fayaz Aziz

[ロンドン、イスラマバード発/ロイター]2月8日に行われた下院選挙は、小選挙区266議席中264議席の結果が判明した時点では、無所属(ほとんどが、収監されているイムラン・カーン前首相が率いる最大野党パキスタン正義運動=PTI=系の候補者)が予想外に議席を伸ばして最多の101議席を獲得している。ナワズ・シャリフ元首相率いるパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が政党としては単独で最多の75議席を獲得し、カーンとシャリフがともに勝利を宣言する事態となっている。元首相の息子ビラワル・ブット・ザルダリのパキスタン人民党(PPP)が54議席を獲得した。

 そもそも実施が遅れた今回の選挙は、パキスタンにとって極めて重要なタイミングで行われた。この国は今、経済危機に面している。減り続ける外貨準備は、2カ月後に迫った10億ドルの国債償還でさらに逼迫する。そして、国際通貨基金(IMF)による30億ドルの金融支援プログラムは4月12日に期限を迎える。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。