ウクライナ全面侵攻から2年の現在地(上)――何が変わったのか/米欧を「変えた」ウクライナ
2024年2月23日
2022年2月24日にはじまったロシアによるウクライナ全面侵攻から2年が経過した。開戦当初と比較すると、1年後や2年後の状況は当然さまざまに変化する。当事者も専門家もすべてを見通せるわけはないし、予想しないことも発生する。それに応じて見方を変える必要が生じることもあるし、社会における理解も移り変わる。
他方で、開戦当初と1年後の間には大きな違いがあったものの、それに比べると1年後から2年後までの変化は小さいことにも気づかされる。ロシアによる占領地の拡大や、ウクライナの反転攻勢による領土奪還といった変化も、多くは1年目のうちに起きた。2023年夏の反転攻勢は、領土奪還という意味ではほとんど成果がなく、戦況は「膠着状態」と表現されることが増えている。しかし、実際の前線では厳しい戦闘が日々おこなわれ、犠牲者が出ている。にもかかわらず、全体の構図に大きな変化が生じているようにはあまりみえない。
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