植田和男日銀総裁は1月の金融政策決定会合後、いつでも政策修正があり得ることを示唆した[衆院予算委員会で答弁する植田総裁、2024年2月22日](C)時事

 バブル崩壊以降、日本銀行はつごう2回、金融政策正常化を試みている。1度目は2000年のゼロ金利解除、2度目は2006年の量的緩和解除だ。だがいずれも、すぐに世界的な景気ショック(前者はITバブル崩壊、後者はリーマンショック)が発生し、日本経済が景気後退に陥ったことから、政策修正が頓挫することになった。

 さて、2024年はいよいよ「3度目の日銀チャレンジ」かと、昨年より注目が集まっていた。

「2度あることは3度ある」、すなわち、2024年に日銀が政策修正をしても、その後すぐ米国経済が景気後退に陥る、という予想もささやかれていた。

 日本銀行が慎重に政策修正を進めるとすると、その第一歩は「マイナス金利解除」となるだろう。ただ筆者は、「マイナス金利の解除」は早くても24年の後半以降になるとみていた(拙稿「来年早々のマイナス金利政策解除はあり得るのか?」 2023年11月28日を参照されたい)。

 詳しい理由は後述するが、12月の決定会合の際、植田和男日銀総裁が「1月の会合までに得られる情報やデータは多くない」と言及したことや、24年早々に発生した能登半島地震の影響もある。1月の会合では大きな変化はなく、政策修正に慎重な姿勢を崩さないと予想していた。

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