断片的でオーウェル的な軍国主義

Foresight World Watcher's 4Tips

執筆者:フォーサイト編集部2024年3月16日
仮にプーチンが世を去っても、この政権のシステムは残る可能性が高い[ロシアが一方的に併合を宣言しているウクライナ東部ドネツクの投票所で、「大統領を選んだ」とのキャッチフレーズを掲げる女性=2024年3月15日](C)EPA=時事

 今週もお疲れ様でした。米連邦議会下院本会議で動画共有アプリTikTokのアメリカ国内での事業売却を求める(180日以内に売却しなければ利用を禁止)法案が可決され、上院での審議の行方は不透明ながら、ジョー・バイデン大統領は「上下両院で可決されれば署名する」意向とのこと。大統領選を視野に入れたバイデン陣営はつい先月にTikTokアカウントを開設したばかりで、迷走の印象は否めません。

 この迷走は今に始まったものでもなく、昨年3月に下院外交委員会が同様の法案を可決したもう一つ前、2020年にも当時のドナルド・トランプ大統領がバイトダンス(TikTokを提供する中国企業)との取引を禁止する大統領令に署名するという山場がありました。この大統領令はバイデン政権で撤回されたわけですが、では今回のトランプ氏のスタンスはと言えば、法案に反対しています。その理由は「TikTokユーザーの間ではバイデン氏よりも自分の方が人気があるから」。バイトダンスによるトランプ陣営への働きかけは活発で、目下のバイトダンスの狙いは「2025年にトランプがホワイトハウスに戻ってくるまで事態を先送りすること」なのだと、英フィナンシャル・タイムズは本日付の深掘りレポート「The Big Read」欄で伝えています(The battle over TikTok)。

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