MAGA運動にどのような将来像を描くのかも「トランプ2.0」の重要ファクター[「Get Out The Vote Rally」キャンペーンのイベントで演説するトランプ氏=2024年3月9日、米国・ジョージア州](C)EPA=時事

 米国の大統領選挙は、3月5日のスーパーチューズデーを経て候補者が固まり、本格的な選挙戦に入った。これから投票日まで長い闘いが続くことになるが、ここまでの選挙戦で最も驚くべきことは、ドナルド・トランプ前大統領(以下敬称略)の政治的復権である。

 3年前、議会襲撃事件が国民に大きな衝撃を与えたとき、多くの人はトランプの政治生命は絶たれたと考えていた。しかし、現在トランプは強固な支持基盤をもとに予備選を勝ち抜き、全国的な支持率でもジョー・バイデン大統領をリードするに至っている。米国の憲政史上類を見ない復活劇と言ってもよい。

 もちろん選挙はこれから長丁場だ。今回のように両候補が不人気な選挙は、「どちらがましか」という消極的選択の選挙となり、接戦となりがちだ。現時点でトランプの勝利を保証するものは何もないが、逆にこれまでの選挙戦を通じ、彼が政権に復帰するため克服しなければならない課題が明らかになってきている。

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