米国務省が公表した二〇〇九年の人身売買報告書で、マレーシアが最低ランクに位置づけられた。世界中の人身売買や強制労働の実態、各国政府がとっている対策などが四段階で評価されており、今年の最低ランクは北朝鮮やイラン、ミャンマーなど十七カ国だった。 報告書は、軍事政権による圧政が続くミャンマーから漂着した難民をマレーシア政府が保護しないため、売り飛ばされていると指摘。売買されたミャンマー難民の多くがタイ国内で売春や低賃金の単純肉体労働に従事させられ、深刻な人権侵害が起きているという。 マレーシア政府は報告書に不快感を表明、米国務省に説明を求めるとしているが、増加するミャンマー難民の扱いは域内各国にとって頭の痛い問題だ。昨年十二月以降、インド当局は約五百人を救出。インドネシア海軍も今年に入って四百人近くを救出している。

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