人間からも動物へ多くのウイルスをうつしている (C)REUTERS/Leah Millis

[ワシントン発/ロイター]人にとって最も致死的な感染病のいくつかは、動物から人間へとうつった病原体によるものである。例えば、エイズの原因となるウイルスはチンパンジー由来。また、多くの専門家は、新型コロナウイルス大流行の原因となったウイルスはコウモリが由来だと考えている。

 だが、新たな研究結果が示すように、病原体は動物からヒトへうつるだけではなく、逆方向に感染が起こることもある。一般公開されているすべてのウイルスゲノム配列を分析した研究では、驚くべきことに、ヒトは動物に対し、動物がヒトにうつすウイルスの約2倍をうつしていたことがわかった。論文は学術誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載された。

 研究チームは、約1200万個のウイルスゲノムを調査。異種間でウイルス感染をしているケースが約3000件あることを突き止めた。そのうち、79%はヒト以外の動物から別の動物へのウイルス感染だった。残りの21%はヒトが関係しており、そのうちの64%がヒトから動物への感染、36%が動物からヒトへの感染であった。

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