次期主力戦闘機(FX)の選定や、ミサイル発射を探知する早期警戒衛星の研究・開発といった防衛装備強化に向け、自民党が在日米国商工会議所との連携強化を図っている。 FXで導入を検討中のステルス戦闘機F22をはじめ、最新鋭装備の輸出には米議会の理解が不可欠のため、議会に強い影響力を持つ米国商工会議所を使って、懐柔工作しようという腹づもりだ。 六月には今津寛・元防衛庁副長官が同会議所航空宇宙防衛産業委員会のメンバーに対し、政府が今年十二月に決定する防衛大綱の概要を説明。北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗するため、独自衛星や巡航ミサイル、F22保有の必要性を訴えた。 米側からはロッキード・マーティン、ボーイングなど防衛産業の主力メーカー幹部が出席したが、政府でなく党が、こうした防衛政策に関するブリーフを行なうことは珍しい。 米メーカーはゲーツ国防長官の新戦略「再バランス論」による装備削減に危機感を抱いており、日本の装備増強を新たなビジネスチャンスとして歓迎の意向を示している。出席者の一人も「具体的な装備名を挙げており、実態がよく把握できた」と評判は悪くない。 もっとも自民党サイドのロビー活動に、防衛省幹部は「衆院選で政権交代が起きれば、防衛大綱もガラリと変わらざるを得ない。前のめりすぎ」と冷ややかだ。

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