前回大統領選で民主党はバイデン氏の「年の功」を買ったわけだが……[国際電気工労働者友愛会(IBEW)の集会でスピーチするバイデン大統領=2024年4月19日、アメリカ・ワシントンDC](C)EPA=時事

 先日本サイトで公開した拙稿「展望トランプ2.0-乗り越えるべき四つのハードル-」に続き、今回はジョー・バイデン大統領を取り巻く状況に関する考察をまとめてみた。

 これまでの選挙戦でバイデンは現職大統領としては歴史的にあまり類を見ない支持率の低迷に直面し、ドナルド・トランプ前大統領とのマッチアップにおいても後塵を拝する期間が続いた。選挙戦序盤とは言っても、こうした状況は一部の民主党の関係者の間で危機感を生み、代替候補者を選ぶ「プランB」への移行を求める声もあがった。

 バイデンに対する支持の低迷は経済情勢への不満や年齢問題を主たる要因としているが、同時に彼自身の党内での立ち位置や米国政治の構造的変化も関係している。いずれにせよ、支持率の低下には無党派層のみならず、バイデン当選の原動力となった非白人や若年層の支持離れが影響しており、こうした状況はトランプの再選を許さないという目的のもと挙党態勢で臨んだ前回の選挙からは様変わりである。再選に向けては綻びが見られる支持基盤を固め直すことが急務となっている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。