ガザ危機はどこに向かうか――非欧米に深く浸透する「占領者によるジェノサイド」論
2024年4月26日
イスラエルとイランが、双方に対する報復攻撃を繰り返した。「第5次中東戦争が始まるのか」、「いや双方が抑制しあっていてそのような様子ではない」といった言説が飛び交った。実際には、お互いに全面戦争をする準備はないので、相手方の防空システムに撃墜されることを計算した範囲の攻撃だ。
つまり現時点では、中東全域で拡大戦争が始まる様子ではない。だがそれはイスラエルとイランの対立が、ガザ危機のサイドショーだからだ。両国の間で全面戦争が始まらないことは、事態を楽観視できる理由にはならない。ガザ危機そのものが、世界的規模で巨大な危機になっている。
中東全域に戦争が起こらなければ、戦争はガザという小さい区域に押し込められたままだ、と考えるのは、間違いだろう。ガザ危機は、すでに国際社会の全体構造を揺るがせる大きな衝撃を放っている。
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