人民日報紙面を賑わす外交成果の「正味な話」
2024年5月7日

外交は今のところすべてが形式主義に陥っている[5年ぶりの訪欧の最初の訪問地フランスでエマニュエル・マクロン大統領に迎えられた習近平主席=2024年5月6日、フランス・パリのエリゼ宮](C)Daniel Dorko / Hans Lucas via Reuters Connect
中国はますます見えにくい国になった。胡錦濤の時代までは、これは本当だろうと思うものからタクシーの運転手の与太話まで、「街の噂」は手軽に拾えた。習近平時代になり、情報管理は次第に厳しくなり、今や「街の噂」も外国人にはなかなか届かない。
だが世の中良くしたもので、情報が多いから読みは正しいということには必ずしもならない。私の外交官時代、収集する情報量は米国が圧倒的に多かったが、判断、つまり情報分析は英国の方が優れていた。そのことを英国の外交官に話すと、ニヤッとしながら、その分析結果を、米国しか持たない生の情報で英国が必要とするものと交換していると言っていた。10年前に亡くなられた岡崎久彦氏も公開情報の分析が基本だし、特に共産圏については公文書を徹底的に読み込むことが王道だと書いておられる。全く同感だ。
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