文科省とはべったり? (C)新潮社

 突き抜けるような青空の下、生徒の蹴り上げた砂埃に、校庭の木々の葉が揺れる。教室の窓から覗かせる日常の光景。そんな平穏とは裏腹に、さる私立高校の応接室では、客人の話に熱心に耳を傾ける教員の姿があった。

「御校の2年生は国語、特にこの分野が弱いですね」

「日々の教育活動はこう改善しましょう」

 そう“ありがたい”言葉を投げかけるのは、どこかの教育評論家でもなければ、教育委員会からやってきた偉い人でもない。スーツに身を固めた、さる民間企業の営業担当者である。彼は一体、何をしに来ているのか――。

“なぜベネッセばかりが”

 教育産業を代表する企業として君臨するベネッセグループ。『こどもちゃれんじ』に『進研ゼミ』と、誰もが見聞きしたことのある教材の親しみやすいイメージとは裏腹に、昨今では、大学入試や都立高入試における公的業務を大口受注するなど、教育産業において、他を寄せ付けない圧倒的な存在感を見せている。

「入試関連の事業において“右に出る者なし”であるのは、もはや周知の事実でしょう。加えて、どの教育現場でもベネッセの存在感は別格。まさに教育産業のガリバーと呼ぶにふさわしい会社といえると思います」(全国紙記者)

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