イギリス新首相スターマー氏「明るい暗さ」の中の船出

Foresight World Watcher's 7Tips

執筆者:フォーサイト編集部2024年7月7日
労働党は211議席を増やしたものの、得票率は3割強にとどまった[初の閣議後の記者会見で発言するスターマー首相=2024年7月6日、イギリス・ロンドン](C)EPA=時事

 4日に投開票が行われたイギリス総選挙は労働党が14年ぶりに政権を奪還、6割を超える議席数を獲得した圧勝は97年からのブレア政権発足時を想起させるものでした。ただ、キア・スターマー新首相の抱える課題はトニー・ブレア元首相のそれよりもずっと困難だと多くの記事が指摘します。悪化した財政、貿易やサプライチェーンにおけるブレグジットの負の影響、年間で150万人以上の患者が12時間以上待たされるという国民医療制度(NHS)、そして移民問題はナイジェル・ファラージのリフォームUKが保守党の票を奪ったようにポピュリズムの伸長と結びつきます。

「スターマーの使命は、バラバラになったものを再びひとつにまとめることから始まる」とは、英「フィナンシャル・タイムズ(FT)」紙の名物政治記者だった(現在は寄稿編集者)フィリップ・スティーブンスの見立てです。

 このほか、改革派のマスード・ペゼシュキアン元保健相が新大統領に当選したイラン関連記事などフォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディア記事7本、皆様もよろしければご一緒に。

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