未婚の男女が結婚するために行なう活動=婚活。日本でも大流行だが、笑い事ではすまない、中国の現状をレポートする。[北京発]「婚活ブーム」が沸き起こっているのは日本だけではない。お隣の中国でも大都市を中心に、結婚できない男女が社会問題となっている。 中国人民大学などの調査によると、一九九五年に五一%だった十五歳から二十九歳までの未婚者の割合は、二〇〇五年には六六%に増加。また中国社会科学院によると、結婚登録数は年々減少しており、〇五年の初婚者の登録者数は九二年に比べ三百五十万人減少した。結婚できない男女が増加し、インターネットなどを活用した「婚活」産業が急成長する一方で、金融危機をきっかけに、若者たちの結婚観にも変化が表れている。 北京市中央部にある故宮博物院。この世界遺産の西側に面した中山公園は毎週日曜午後、結婚適齢期を迎えた子供を持つ親たちの婚活現場となる。「求婚・北京男性・二十七歳・身長一メートル七十二センチ・清華大学大学院卒・大学教師。北京市朝暘区居住」 子供のプロフィールを書いた紙を地面に置く親たち。紙を持たない親たちは、プロフィールを一枚一枚吟味しながら遊歩道を往来。親と二十代の子供の二人連れの姿もチラホラと。条件が合う相手がいると、子供の写真を見せながら、交渉が始まる。「娘さんはどこの出身?」「息子さんはマンション持っているの?」「条件は良いけど、息子さん、ちょっとデブだねえ」。あちこちからこうした会話が聞こえてくる。プロフィールを眺めると「六十歳男性」などというのもあるが、大卒で高年収の女性の割合が圧倒的に多い。

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