
著名な経済学者の家に生まれたベロウーソフ国防相(右)は、5期目のプーチン政権で重用される「テクノクラート」の一人だ[写真はプーチン大統領とともにナチスドイツのソ連侵攻83周年の式典に出席した時のもの=2024年6月22日、モスクワの「無名兵士の墓」にて](C)EPA=時事
2024年5月から7月にかけて、プーチン外交が攻勢を強めている。ロシア・ウクライナ戦争下、第三国制裁の導入など対露経済制裁が一層厳しさを増す中、ロシア外交の新たな潮流を形作ってきた国家官僚のグループ、とくに「テクノクラート」と呼ばれる技術系官僚らの動きが注目を集めている。
5月14日にロシア新内閣が発足すると、直後にウラジーミル・プーチン大統領は北京に飛び、16日には中露首脳会談に臨んで、習近平国家主席と共に共同声明を含む11の合意文書に署名した。6月19日には北朝鮮の平壌を訪問し、有事における相互支援を定めた包括的戦略パートナーシップ「条約」に署名。その足でベトナムのハノイを訪問し、共同声明を含む15の文書に署名した。さらに7月8日から9日にかけて、インドのナレンドラ・モディ首相をモスクワで迎え、「2030年までの露印経済協力の戦略的活動の発展」について共同声明を発出した。
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