薬の効き方や品質が猛暑から受ける影響は?
2024年8月18日

(C)REUTERS/Adrees Latif
[ロイター]気候変動の影響で熱波はより長期化し、世界は記録的な暑さを経験している。こうした状況は、薬剤の特性や患者への影響にも変化をもたらす可能性がある。
本記事では、猛暑と薬剤に関して役立つ知識を紹介する。
一般的な疾患の治療に使われる薬剤でも、発汗能力や血流速度を低下させることで、高温に対する体の反応に支障をきたし、服用すると暑さに対する感受性を高めることがある。
また、熱波の最中にはカプセルやスプレー、錠剤、シロップなどのほぼすべての形態の薬剤が、一定の温度の範囲内で保管されない場合に劣化するリスクが高まる。
暑さによる薬剤の効き方の変化は、個人の健康状態、服用量、環境条件によって異なる。専門家は、水分補給をしっかり行い、外出時は携帯用扇風機を持ち歩き、日陰やエアコンの効いた場所で涼しく過ごすことはもちろん、猛暑時には薬の服用量や服用間隔について医師に相談することを勧めている。
暑さに敏感になる薬は?
▼高血圧や心不全の治療薬:アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は喉の渇きを抑え、水分を補給するタイミングが判断しにくくなるため、脱水症状のリスクを高める。カルシウム拮抗薬はミネラルバランスを崩し、体温の調整が難しくなる可能性がある。また、β遮断薬は発汗能力を低下させ体を冷やすのを難しくすることがある。利尿薬も脱水症状やミネラルバランスの崩れを引き起こす可能性がある。
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